「おおかみこどもの雨と雪」の感想、子育て世帯の父親目線で

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先日金曜ロードSHOWで放送のあった、「おおかみこどもの雨と雪」をはじめて見たのですが、映画公開時に話題になってたので楽しみにしていました。以下は私、3歳娘と0歳息子の子育て世帯の父親目線での感想です。妻と二人で見たので、所々奥さん談を交えて。ネタバレ注意です。

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見終わった後の感想として、この映画の主テーマは、子供達はいずれ自分の居場所を見つけて、自らの人生を選んで自立していく、という子供の成長を描いた作品であると私は捉えました。なので、映画自体は肯定的に楽しむことができました。おおかみこどもの子育ての過程や母親像も描写はされていますが、私はそこはテーマの一部ではあるけどメインではないと感じまして。だから映画のタイトルも、雨と雪と子供の名前が付いてるのではないかな〜と考えました。弟の雨のほうがタイトルの先に来てるのは、人間の母親(花)に育てられた雨が、おおかみとして生きて行くという重大な決心をするからかなあと。

そんな風に考えたためか、私の場合はあまり違和感を感じずに楽しめたのだと思います。子育てや母親像にスポットを当てると、結構違和感の残る作品かなというのは理解できます。

実際突っ込みたくなる場面は沢山あった

母親像や子育ての描写では、これおかしくねえか?と感じる場面は多くて、確かに突っ込みどころ満載な感じは受けました。例えば…

・普通の人間の女性が、狼男(おおかみこどもの父親)とあっさり夜を共にするか!?
・狼男が軽率、まともな男なら子供を授かる前に在学中の花(母親)を気遣うんじゃ。
・助産師さんもいなくて家で子供産むとか無理では?
・狼男の背景が全くわからず、速攻で死んじゃう。
・色々な異常事態が割と平然と受け入れられていく。
・花(母親)の友人達が全然出てこない。
・子供達が部屋をぐちゃぐちゃにしても花(母親)が怒らない。
・笑うのは大事ではあるけど、子育てはキレそうになることも多い。
・子供達が花(母親)のお手伝いをしている描写がほとんどない。
・最初は貯蓄で生活という設定だけど、実際その後の生活費や学費はどうなってる?
・最後の雨が山へ行くシーンでは、母親ならもっと必死に止めるはず。(奥さん談)
・雪が一気に自立するのは草平くんに恋したから?その辺りの描写が割愛されてる。(奥さん談)

などなど。なので、これはもしかして、実際の子育てを経験してない人の原作かな〜というのは、見ながら感じていました。母親像(花)は理想像が描かれているのか、だいぶ美化されているようにも感じましたし。ぐぐってみたら予想通りで、原作・監督の細田守さんは、この映画の公開後に第一子のお子様が生まれているそうです。この辺りの予測ができたのも、あまり違和感を感じずに済んだ、というか作品を受け入れられた理由かもしれません。

『おおかみこども』細田守監督、第1子男児が誕生! – シネマトゥデイ

好きなシーン、感想など

雪原を親子3人で駆け降りるシーンは美しくて惹き込まれました。このシーンだけでもまた見たいと思った。そのすぐ後に、雨が沢に落ちて溺れるシーンでは、山中で親がこんな小さい子供から目を離すのは駄目だろ!と、また突っ込みたくなるシーンではありましたけど。全体的に風景描写は綺麗で好きです。

そのほか、草平くんの雪に対する優しさが描かれるシーンも良かったです。最後の場面で、雨が花(母親)をちらりと振り返り、山を一気に駆け上って遠吠えするシーンも好きです。男たる者、時にはああいう潔さも必要ですから。ここは、うちの奥さんは、花ちゃんにもっと必死に雨くんを引き止めろよ〜!と叫んでましたが(笑)。

重要な出来事が割とあっさり通過されるのは、この作品の特徴の一つかもしれませんね。花の出産やら大学中退、おおかみおとこの死の場面、田舎への引っ越し、子離れ・親離れなど、人生の一大イベントが、登場人物の心の葛藤の描写などは少なめで、割とすーっと物語が展開されていきます。作品が重たくならないように、わざとそういう風に作ってあるのかもしれませんが。

また、金曜ロードSHOWでこの映画を見た翌日だったかな、以下の感想を読んで、こういう見方もあるのだなあと個人的には結構驚きました。

おおかみこどもの気持ち悪さについて – はてな匿名ダイアリー

マイノリティ・マジョリティなどそういうのは一切考えずに見ていたので、このはてな匿名ダイアリーの感想には驚きつつ、こういう見方もあるなだなぁと気付かされて感心しました(皮肉ではなくて正直に)。私は父親なので、母親とはまた目線が違うだろうと思います。母親目線であれば、やっぱり母親像のほうに目が行くであろうし。あまり家族向けじゃない、という点は同意です。小さい子供には少々早過ぎるかな、という印象を同様に受けました。

あと個人的に感じたのは、おおかみこどもの父親(狼男)の扱いが軽い!父親目線だと一番気になった点がここです(半泣き)。名前なくて「彼」だし。あっという間に原因不明で川で死んじゃって、ゴミ収集車に回収されちゃうし。あのシーンは強烈な印象を残すと思いますけど、なにかメッセージがあったのだろうか。父親なんて子育てにおいちゃごみ同然とか、父親がいなくても子供は逞しく育っていくとか、そういうことを強調するための描写だったのだろうか。よく分かりませんが。まあ、子育ての主人公は母親と子供なのは間違いないですし、この映画のテーマは母子と子供の自立でしょうから軽い扱いも仕方ないのかもですけどね。

以上、全体的には、私も妻も肯定的に受け取れて楽しめた作品でした。いずれうちの子供達も自立する日がやってくるのだろうなあ。

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